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コラム

2012/11/5

第3回ハンセン病の薬剤耐性に関するWHO会議において、レセプションを担当しました

(WHO Global Leprosy ProgramによるSentinel surveillance for drug resistance in eprosy)

懐かしい人々

2010年の秋、私たちはちょっと珍しいパーティーを開きました。アフリカ、中近東、ヨーロッパ、南北アメリカ、アジアの24カ国から、約40人のお客様を招き、日本側も約同数参加して、ホームパーティーのような秋の夜のひと時を過ごしました。

諸外国から来日した人々は、日本で行われた第3回Workshop on Sentinel surveillance for drug resistance in leprosyに参加した、医師、研究者、政府の保健政策担当者たちです。この活動は、世界に10数か所の定点を置き、薬剤耐性の出現頻度などの観測を続け、今後のハンセン病対策に役立てようというものです。世界保健機構(WHO)のハンセン病対策の中で、現在活動している数少ない分野の一つといえるでしょう。

目下の世界のハンセン病対策は、1981年WHOによる多剤併用治療(MDT)の推進に始まり、統計上の患者数は激減しました。しかし実際には、正確な患者数の把握はきわめて困難で、また標準的なMDTのみでは不十分な症例があること、さらに化学療法終了後も、後遺障害の問題や、後発性らい反応、社会のスティグマなど、ハンセン病は多くの問題を残しています。

確かにMDTの出現は、ハンセン病のイメージを大きく変え、後遺障害の発生率も減少しました。ところが近年、らい菌の薬剤耐性が深刻な問題として浮上してきました。そこで2008年、ハノイで第1回のハンセン病の薬剤耐性に関するWHOのワークショップが開催され、2009年にはパリで第2回の会議、そして2010年11月9、10日、今回の第3回の会議が東京で開催されました。

薬剤耐性について:らい菌は、今なお人工培地で培養することができません。薬剤の効果判定は、マウスのフットパッドに菌を植えるのが唯一の方法ですが、これは高額な費用と長時間を要する検査です。近年、らい菌の薬剤耐性に関する遺伝子変異の有無を見ることにより、極めて短時間で判定できるようになっています。これについては、日本の研究者たちが、世界に誇れる成果を上げています。私は長い間この分野で大変お世話になっており、治療した患者さんのほとんどは、この研究の恩恵を受けています。

私たちはこれまでお世話になったお礼と、今後も活躍していただきたい気持ちをこめて、来日される皆様の接待役をさせていただくことになりました。

このパーティーで大活躍したのは、退所者(ハンセン病療養所を出て社会生活をしている人々)の会とそれを支える市民団体、特に医療ソーシャルワーカーのグループと、IDEAジャパン*の会員、それに学生さんたちでした。見事な墨筆で書かれた英文の横断幕は、日本のハンセン病問題に深くかかわっておられるあるお寺のご住職の作品です。

飛び入りで壇上に上がった退所者の方が、これまで歩んできた道のりの一端と、努力の上に築かれた今の生活について話されると、一人の外国の女性がとても感動されて、後日この方からは励ましのメールが届き、新たな繋がりが生まれました。

お客様たちの多くは、以前どこかの学会で会った人、その研究論文で有名な人、またかつてミヤンマーのフィールドワークで一緒に働いた人たちもいて、久しぶりの出会いに、以前いた世界が懐かしく、ジャズバンドが静かなスウィングを奏でる中、感無量の一時でした。衆人の注目を浴びることの少ない地味な研究ですが、ずっと続いていってほしいものです。

IDEAジャパン:international association for Integration, Dignity and Economic Advancementの日本ブランチで、世界のハンセン病回復者たちが、共生・尊厳・経済自立を目指して設立された国際ネットワーク。現在30数カ国に活動拠点があります。